ガウス素数の密度は?
調子に乗ってガウス整数の場合も考えてみました。
こちらも雰囲気です。
インデックスkのガウス素数をとします。また、極座標において, にガウス素数が含まれる確率を
とします
【準備】:素数に関する和の近似
, に個だけ素数があるとみなせるので、r<Rに含まれるガウス素数のインデックスの集合をとすると、
がおおむね成り立つと予想されます。
ガウス整数zの存在確率密度をとします。
絶対値が、偏角がの領域において、ガウス素数の倍数になる確率を考えてみます。
の絶対値を, 偏角をとすると、なるzに対し、がガウス整数になる確率であり、領域は
に射影されるので、その領域にガウス整数が含まれる確率は、
となります。
あとは、通常の素数の時と同様にして、
eq(1)
を得ます。ここで、乗しているのは、4つの単数分だけ重複して乗算しているからです。
両辺の対数をとると、
【準備】で記載した和の近似を用いると、
ここで、ガウス整数の存在確率密度をほぼ一様分布であるとして近似します
(実際には違うかもですが・・・)。即ち、とします。
すると、ガウス素数の確率密度も偏角に依存しなくなり、先ほどの式は、
となります。
Rについて微分すると、
微分方程式の要領で解くと、
右辺の積分は、
よって、
となって結果を得ます。
この結果は、下記論文で示されている結果とほぼ一致します。
N. Tsuchimura, Computational Results for Gaussian Moat Problem, Mathematican
Engineering Technical Reports University of Tokyo, (2004).
素因数の数の確率分布も同様に算出することができます。