チェビシェフ不等式の拡張
定理
・連続値の場合
Xを に値をとる確率変数とし、Xの平均値を 、分散を 、 を確率密度関数とする。
また、m(k)をで定義する。
このとき かつk>0なるすべてのk, rに対し、
が成り立つ。
特に、でチェビシェフ不等式に一致する。
・離散値の場合
Xをに値をとる確率変数とし、 を確率質量関数とする。
m(k)をで定義し、をで定義する。
このとき かつk>0なるすべてのk, rに対し、
が成り立つ。
証明
.
となる関数を考える。
ここで、
とした。
m(k)の定義から、
eq(1)
が成り立つ。
また、F(k)の式を
eq(2)
と変形する。
Prの定義から、 であり、
は において凸関数、となることに注意すると、
eq(2)に対して、イェンセンの不等式を適用することができ、
となる。
ここで、
とおいた。
これより、
を得る。
eq(1)と合わせて
となり、式を変形すると、
を得る。
・離散値の場合
のとき、 と置く。
U(X)はで定義された連続一様分布である。
すると、
が成り立つ。
ここで、 は の分散であり、 はの分散である。
、 と置き、
に注意して、
を得る。