混合確率分布とウェーブレット変換
任意の確率密度関数は別の確率密度関数の混合確率分布で表されるのか?
という問題に対し、ウェーブレット変換の手法を用いて考えてみます。
⚪︎定義
で定義された確率密度関数に対し、
と定義する。
また、は、を、は、を表すものとする。
も確率密度関数になることは容易に確かめることができる。
以下では、細字の添え字についてもベクトルを表すものとする。
○命題?
を上で定義された二乗可積分な確率密度関数とする。さらに、は級であるとする。
このとき、を
と展開可能である。
以下では、特に断りがない限り、積分範囲はであるとする。
展開係数は例えば、
と表すことができる。
ここで、はのフーリエ変換である。
特に、として、正規分布をとれば、混合ガウス分布の展開公式になる。
証明
連続ウェーブレット変換を導く場合([1]のTheorem4.4)と同様の考え方である。
とおくと、
ここで、は畳み込みを表し、内のは畳み込みに関する変数を表す。また、である。
同様に、
ここで、である。
合わせて、
フーリエ変換の公式
および、
を用いる。は、の複素共役である。最後の等式は、が実数値関数であることから従う。
をフーリエ変換すると、
と変数変換して、
となるので、フーリエ逆変換して結果を得る。
追加:
Reference.
[1] St´ephane Mallat., "A Wavelet Tour of Signal Processing"