チェビシェフ不等式の拡張(続き)
定理
を平均値 、分散 の確率変数とする。
を確率密度関数かつ対数凹関数であるとする。
かすべてのに対し成り立ち、
の極限で
に収束するものとする。
m(K)をで定義する。
このとき、すべての で
か成り立つ。
また、においては、
が成り立つに対して、同様の不等式が成り立つ。
特に , , の場合はそれぞれ
.
.
となる。
証明
仮定より、 に対し、対数凹関数の不等式
が成り立つ。
両辺から を引き、で除算しての極限をとると、
となる。
とおくと、
eq(1)
この不等式から、 かつ、なるxに対し、 が成り立つ。
即ち、はで単調減少する。
同様に、はで単調増加する。
よって、 が成り立つ。
をeq(1)に乗算し、区間で積分して、左辺を部分積分すると、
また、右辺に対しては、
を得る。
これらを合わせて、
eq(2)
ここで、
と置いた。
Prの定義から、 かつ、
はで凸関数であり、
が成り立つ。
eq(2)の右辺の項に対して、Jensenの不等式を適用すると、
.
を得る。ここで、
であり、
が成り立つ。
まとめると、eq(2)は
となり、が成り立つならば、不等式を変形して、
.
となって求める式を得る。